「授乳」とメディアにアピールする自意識
[谷亮子] 思えばヤワラさんは全国区になった時点から,ある意味「勘違い」をし続けてきた。そもそも「ヤワラちゃん」というあだ名も自分でテレビでアピールしてつけたものだ。まだその頃は彼女も子供だったから,マスコミも何も言わなかった。それがいけなかったのかもしれない。
いや,別に柔道家としての彼女を貶めるつもりはない。気を遣っているわけでもなく,媚びるわけでもないが,柔道の試合中の彼女は,「非常に美しい」。闘う人間だけが持つ純粋で真剣な目をしているからだ。闘っている最中の彼女は無心であり,ある頂点を極めた者だけが持つ雰囲気を持っている。
しかし,マスコミの前の彼女にはイラッと来ることが正直多い。「これがオリンピックの時のナマ帯なんですけど」とか「前人未到の6連覇」とか自分で言ってしまうところもそうだが,大学に入ったあたりからやたらと「オンナ」をアピールするようになってきた。「前人未到」などの発言については,本当は他人がいうだろう台詞を頭の中で彼女自身がなぞってしまう,つまり,他人から見えている(だろう)自分の像を丁寧にプレゼンしてしまっているのだろう。だから,本当は変なことに気がつかない人も多いかもしれない。気づくか。
しかしだ。「オンナ」の方はどうだろう? 正直彼女にそれを期待してる人は多くないだろと思う。実は多かったりするのか,胸元が開いたセクシードレス姿とか,濃いめのアイシャドーとかにグッと来る人が。でも,敢えて言っとく,「勘違いだ」と。
その「勝手なプレゼン」と「オンナ性」の頂点が,あの結婚式であったと思う。たまたま入ったそば屋のテレビで映してやんの。そば屋のおばちゃん,見入ってるし。15分くらい私ら夫婦もその映像を見たが,とてつもない見せ物だった。いや,披露宴なんてもともと見せ物の要素があるけど,ヤワラさん自身の
私の晴れ舞台! みんな,私を見て!! この料理もドレスも私が考えたのよ!
という意識が強く感じられ,15分見ただけでくらくらした。ある意味で谷という男は,前人未到の偉業を達成したといえよう。
そして,全日本選手権における「授乳」アピール。別に授乳するなとか,授乳のことを他人に言うなと言ってるわけではない。なぜマスコミにアピールするかが問題である。
育児することに対して大会主催者の対応が悪いからマスコミにアピールするということもありうるんだが,何しろ,ヤワラさんですよ。全日本選手権で優勝しなくても世界選手権の代表になったヤワラさんだ。そのくらい対応してくれるだろう。ライバルの選手もおそらくニュースは見るだろうが,最大のライバルが「授乳が大変で〜」って言ってたらどんな気持ちになるか。萎えるか怒るかのどちらかだ。でも,その効果を狙ったのでもなさそうだ。
今まで続いてきた「オンナ」性の発露なんだろうが,母性をアピールして一体何になるのか? 「ホント,授乳って大変でー,私も分かりますぅ。谷選手ってスゴイですねえ!」って反応を期待しているのか? そんな反応来るほど世の中ゆるくないだろう,と思っていたら,mixiの最新日記見てたらそんなのを3つくらい見つけてげんなりした。本当にいるんだ。そういう人達。
母性をアピールするだけで食べている芸能人は,いまだにたくさんいるし,今後もなくならないだろう。残念ながら。しかし,ヤワラさんが母性をアピールすることにそういう何らかの見返りがあるとも思えない。故・ナンシー関が予言していたように,やっぱり「選挙出る」のか。選挙対策だとしたら,母性アピールの理由は説明つくんだけど。「巨人の選手の奥さん」って肩書きもついたし,万万歳だ。





「都内ホテルで行われた公演」後の写真ということで(ディナーショーかよ!!)、こんな格好なのだが、申し訳ないけど、笑ってしまった。昔、現・中村勘三郎が某女優と会っていたところを写真週刊誌に撮られて記者会見したことがあったが、この時彼は舞台用の豊臣秀吉の格好をしていた。しかし、その格好をして会見に臨むことは、彼の巧みな演出に見えた。「しょうがないな」という感じで。しかし、元彌ちゃんの場合、コントにしか見えない。というか、カツラだか地毛だか分からないけど、こんな髪形をしないといけない狂言ってあったっけ? そういえば「麻生」という狂言で、大名が舞台上で髪を結っていくというのがあったなあ。今の狂言師には無理だから、上演する時にはカツラを使うとか。前に、元彌ちゃんのwebサイト見たら、「麻生を演じるために髪を伸ばした」とあったからそうかもしれない。しかし、「麻生」という曲は、実際には殆ど上演されない。私も見たことがない。現代の狂言師が「髪を結う」ことの困難さもあるが、「舞台で本当に髪を結う」以外に面白さがないからだと思う。筋書き読んでも、実際に髪伸ばしてまで演じたい曲とも私には思えない。しかし、「現行曲254番を全て演じたことがある父親から251番の狂言を教わった」ことが最大のアイデンティティである元彌ちゃんには、この曲を地毛で演じることが大事なのだ。
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