7 posts categorized "芸能・アイドル"

2008.03.08

いとうあさこの憂鬱

 この間,「田上よしえ」の名前が本当に思い出せませんでした。悲しい話です。
 そんなことより,いとうあさこである。みんな覚えてないかもしれないけど。この間南北線に乗っていたら,「TOKYO一週間」の「けんてーごっこ」の映像が始まった。映像にはオジンオズボーンとか時々出てくるのだが,その時はいとうあさこが「アルフィー検定」をやっていた。妙にポジティブというか,はきはきというか,やけっぱちというか,空元気というか,という相変わらずの空気で問題を読み上げ,シンキングタイムではBabeのように踊っていた。

 悲しくなった。

 いとうあさこは,見ていると妙に悲しくなってくる。もともと女性ピン芸人は存続が難しい。その元祖とも言える山田邦子は今やなんだか痛々しい。青木さやかはタレントとして上がってしまった。友近のようにずっと「芸人」で居続けている方が珍しく,売れた時点で女優とかタレントとして「便利な存在」になる方が安泰なのだ(これは女性に限らない話かもしれないが)。
 で,いとうあさこなのだが,一体何をしたいのかずっと分からない。最初見た時はウクレレ漫談をしていたが,今どきウクレレ漫談ってなあ。ぴろきのように売れようが売れまいが勝手に続けていればそのうちそこそこの安定が見込めるのだが,そこまでの覚悟はなかった。自虐ネタにしても,にしおかすみこの捨て身の前には為す術もなかった。
 「細かすぎて伝わらないモノマネ」も,いつもいつも一生懸命なネタを披露しているがいまいちブレイクしない。次々に出てくる素人や新人の方がインパクトが強い。
 彼女は「ポジティブの持つ痛さ」をネタにしているのか。それすらも分からないところが痛い。

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2007.08.11

家元とか宗家というのは,そういうものである。

[][][] 前に,「宗家」の意味というエントリを書いたことがある。能楽というのが元々お稽古料を当にしている芸能であること,お稽古事では宗家なり家元というのが免状を与えたり教本に名前を載せたりするから重要になってくること,でもどんなお稽古事でも宗家や家元が完全に好き勝手することも出来ないことなどを書いた。ちなみにそのエントリのオチは,「江戸ー明治期に和泉流の家元であった山脇元賢の息子和泉元清は,能楽の動乱期にあって家元としての権威を誇示し,流儀を統率しようとした。その結果,かえって反発を買い,晩年には孤立化し,後を継いだ息子も不遇なうちに三十歳でなくなってしまう。そして和泉流はいったん家元不在になってしまったのである。」というものだった(笑) ちなみに,和泉元彌の父親である元秀が山脇家の養子に入る前にもいったん和泉は家元不在となっている。 
 また,何度も書いているが,宗家なり継承者なりは完全に「血」によって決定されているわけではない。確かに「完全実力主義」ではないのだが,伝統芸能なり茶道や華道といったお稽古事には「養子縁組」という裏技がある。血がつながっている子供がダメそうだったら,有望そうな弟子を養子(婿も含む)にしてしまうのだ。たとえ「血」で決定しても,有力な弟子達の支えがなくては宗家や家元として機能出来ない。
 つまり,現在の和泉宗家による「和泉宗家が600年続いている」とか「弟子は宗家に意見をすることは許されない」とか「宗家は生まれながらにして決まっている」といった妥当でないところがある。しかし,完全に間違っているわけでもない。完全に間違っているわけではないから,彼らの「宗家ごっこ」を信じてしまう人もいるのかもしれない。


 最近,宗家とか家元に関する面白い事例があった。上方舞「楳茂都(うめもと)流」の家元後継者に歌舞伎俳優の片岡愛之助が選ばれたというニュースだ。片岡愛之助は,元々は歌舞伎の家の出身者ではないが,十三代目片岡仁左衛門の部屋子となり,更には十三代目の次男である秀太郎の養子となった。つまり,才能があって華もあると見込まれたんだろう。現に人気俳優の一人であるし,次の仁の字を継ぐのはおそらくこの人になるだろう。佃医師は女形だし,もう一人は(略) 

 面白いことに,愛之助は楳茂都流の門下だったわけではない。殆ど接点がなかったらしい。アサヒコムの記事には次のように書いてある。

片岡愛之助さん、上方舞の楳茂都流家元に 「扇性」襲名

 大阪出身の人気歌舞伎役者、片岡愛之助さん(35)が、上方舞「楳茂都(うめもと)流」で三代目「扇性(せんしょう)」を襲名し、四代目家元になることが内定した。10日の同流総会で決定し、来年中に披露公演を開いて正式に就任する予定。

 楳茂都流は井上流、山村流、吉村流とともに上方舞四流と呼ばれ、江戸末期に初代扇性が大阪で創設。三代目家元だった陸平さんが85年に亡くなった後は家元の不在が続き、理事として運営に当たる高弟の高齢化も進んでいた。

 「芸、容姿、人柄。三拍子そろい、家元に最適な方と思い襲名を打診した。新風を吹き込んでほしい」と同流理事の楳茂都梅咲さん。愛之助さんは9月に大阪で開く先代家元の追善会に出演するという。

 更には愛之助オフィシャルページのお知らせには次のように書いてある。

このたびご縁がございまして、愛之助が楳茂都流四代目家元の後継者とのありがたいお話を賜りましたことをここにご報告申し上げます。楳茂都流は、上方舞のなかでも歴史が古く、歌舞伎舞踊にも多大なる影響を与えた流派です。先代お家元が亡くなられてからは、楳茂都流舞踊協会というかたちで長い間運営してこられましたが、今回その由緒ある楳茂都流家元後継者のお話を頂戴し、松竹関係者、松嶋屋一門、そして秀太郎のご了解をいただきまして、家元にふさわしい舞踊家となるべく楳茂都流を学ばせていただくことなりました。
去る8月6日大阪市内におきまして、9月22日に行われます先代お家元の追善会の発表とあわせまして、後継者発表の会見が行われました。その会見の中で愛之助は、「自分がこの席にいることが嬉しいという思いとともに、とても不思議な気持ちでおります。楳茂都流にはそれほどご縁があったわけではない自分にお声をかけていただき、光栄です、歌舞伎役者としてこれからも精進してまいりますが、それに舞という分野でも、頑張ってまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。」とご挨拶し、「今の自分はまだまだ学ぶところがたくさんあり、松嶋屋の芸、色を大事にしたいと思っています、また、今後は楳茂都流の舞踊も数多く自分のものにしたいと思いますし、できましたら本興行の中で、復活してご覧いただく機会が持てれば」と抱負を語りました。
襲名の具体的な時期は未定ですが、まずは舞踊家として第一歩を踏み出しますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

 つまり,楳茂都流は先代家元が亡くなって以来家元が空白になってしまい,高齢の理事達が運営してきたけどこのままじゃジリ貧だ,若いお弟子もたくさん入れなきゃマズイでしかし,そのためにどないしたらええかなあ,そういえば上方歌舞伎で若くて人気のあるええ役者がおるで,将来は偉くなるかもしれん,おおそれはええな,という感じで(関西弁適当),愛之助にお鉢が回ってきたみたいなのだ。歌舞伎役者が家元を兼ねている例はいくつもある(最も大きくてメジャーなのが坂東流)。関西では竹三郎がそうだ。歌舞伎役者はみんな日舞は習ってるから都合がいい。
 上方舞について殆どよく知らないのだが,楳茂都流は伝統がありそうな「ちゃんとした」流派のようだ。そうでなかったら,流石に松竹や松嶋屋関係者が賛成しないだろうが。そんな「伝統ある」流派が今まで全く流派と関係なかった人を思い切って宗家として持ってきたのはすごいことだと思う。それは伝統の破壊ではないのか?

 いや,もともと家元とはそういうものなんだと思う。愛之助が家元になっても多分流派の運営の仕方は大きく変わることはない。理事達が合議で重要事項を決めるのは今までと同じで,ただそこに若い家元が加わるだけである。「家元に意見をするのは許されない」ということもない。それ無理だし。
 ただ,お免状に家元の名前が入るとか,発表会で家元がやってくるとかそういうところが大きく変わる。らぶりんの名前入り(舞踊名だけど)のお免状が貰えたり,発表会でらぶりんと共演できるかも,とかそういう夢がひろがりんぐなわけですよ,素人弟子にとっては。これから名前入り免状が欲しくて舞踊始めちゃう人も出てくるかもしれない。実は私もちょっと「どこで習えるんだろう」と考えた(笑) そういう「お弟子獲得」のメリットを考えて,楳茂都流の協会が彼を選んだんじゃないだろうか。あと,歌舞伎の舞台の中でも取り上げてもらえるだろうから,流派の宣伝にもなる。愛之助にとっても,家元という肩書きはあって困るものじゃない。両者ともにメリットがある。


 要するに家元というのは「お稽古事の看板となる」存在なのだ。だから,看板として相応しくない宗家や家元はまずいのである。でも,それは単に芸の問題ではない。素人弟子からみたら「芸の質」までは分からないから。どちらかというと「ワイドショーにやたらと取り上げられる」とか「やたらと内輪もめしている」といった要素の方が看板の質に影響するようにみえる。ということで,「伝統芸能の裏技」の象徴としてらぶりんを取り上げてみた。

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2007.06.09

沖縄狂言の変なこと

[] 以前のエントリで,3月31日に行われた石垣島公演の話を書いた。「会場使用料が未納」という騒動の話だ。この次の日は,国立劇場おきなわで「沖縄狂言の会」を行なっている。この時の取材や新作狂言を演じているところ(その1その2)の動画がアップされている。やっとその動画を見てみた。辛かったけど(笑)
 
 前に私は和泉宗家の芸風について書いたことがある。故・元秀が生きていた頃の舞台はよく観たのだが,その時に気になっていたのは,「間」だ。「詞回し自体は普通なのだが、2人の登場人物が会話する時の間がおかしい。間がないか、時には間がマイナスなのである。前の人が台詞を言い終わる直前に次の人が台詞を始めてしまうのだ。どんな場合においても。一見テンポよく見えるが、サラサラサラサラ話が流れてしまうんである。」と前に書いたが,こんな感じの舞台だった。そして,元秀師が亡くなった後は,元彌らの舞台はちゃんと観ていない。この10年以上の間にどうなったか,ちょっと怖いけど,確認しようと思った。「佐渡狐」の稽古風景の動画もあるんだけど,稽古だし,「佐渡狐」のあの場面じゃ(2人の百姓と奏者が揃っているところ)ちょっと分かりにくいので。
 
 
 感想。ああ,やっぱり。
 まず新作の方だが,「新作だから! きょんぎんの要素も入れてるから!」てことかもしれないけど,相変わらず台詞の間がないか,かぶる。最初はあの字幕のつけ方と拍手のタイミング(単に元彌ちゃんが酒を飲むだけで拍手が沸く。うーん)に気を取られてたが,2度目で,「なんだか動きが気持ち悪い」と思った。何度かみて気がついた。かぶるのは台詞だけではなかったのだ。
 例えば,最初の主と冠者(冠者じゃないけど実質そういう役)のやり取りをみてみる。主が冠者に何か言いつけると,冠者は「ハッ,かしこまってはござれども」とかしこまる,というお約束の場面だが,主が言い終わる前に頭が下がっている。ありえん。ちゃんと全部聞いてからかしこまれ。これがソウケケの型なのか。最初だけでなく全部そうなってる。
 あと,民謡を生かした舞をいくつか披露しているのだが,元彌はインタビューで「狂言の型を使っている」と述べている。そうかそうか。なら聞こう。なんで舞台を左回りする時に悉く足をかけないのか? 和泉流は舞でも左回りの時は足かけるんじゃないのか?(「足をかける」というのは,方向を変える時に,片方の足の土踏まず辺りをもう片方の足の先に当てる……ってなんだか説明しにくいなあ) 全部フツーに回ってないか?  新作だから知らないけどね。でも,所作が全体的になんだか適当。
 
 
 そして,インタビューの方では「靭猿」の一部が映っている。個人的には「女性はあんまり大名とかやらんほうが」と思うんだが,それはまあいい。某掲示板で話題になってたが,小刀がささってないとか,大名の装束が舞台の上にずっと乗っていてうっとうしいとか確かに気になる。「靭猿」にはなぜか後見が舞台にいないのだ。新作狂言「畠廻り」の方は淳子ちゃんが後見だ。誰も弟子を連れてかなかったのか? でも,そうだとするとおかしいことがある。
 もう消えてしまった和泉元彌公式サイトだが,元彌が書いていた日記の一部を引用したことがある。そのエントリはここにあるが,この3月31日の記述をみてほしい。文章が長いから,途中にある(中略)以降から読んで欲しい。なお,中略したのは私ではなく,原文ママ。元の文章にそう書いてあった。


ホテルの前で、前に回り込もうとしたカメラマンに、足を引掛けられ、激痛が・・・それでもフラッシュがやまず、カメラも回り続け・・・さすがに堪忍袋の緒が!!・・・弟子の一人が「先生、ここは・・・とりあえず・・・お願いします。ホテルの中へ。」意見をする事を許されない弟子が、必死の形相で止めてくれた。エレベーターに乗ったものの悔しくて・・・でも弟子にはお礼を言いました「有難う。よくとめてくれた。」と、「よく我慢していただけました。」って、皆悔しい思いや、緊張でこわばった顔をしていた。 背負っているものがある。


弟子の一人が。弟子の一人が。意見をする事を許されない弟子が。意見をする事を許されない弟子が。


あれ,弟子来てるよ? しかも「一人が」てことは複数。複数の弟子が来てるのに,翌日の後見はしないのか? 31日で帰っちゃったのか? この家では弟子に意見をする事も許さず後見もさせないのか? 何のための弟子なのか。もしかするとバーチャル弟子なのか。
 分からない。なんでこの人達はちょくちょく変な事を言うのか。

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2007.03.23

どうやら和泉家はかなり逼迫していたらしい。

[][] 昨日,こんなエントリを書いたわけですが,和泉家ウォッチャーのくせに書き逃していた出来事が1つありまして。去年の10月にzakzakにこんな記事が載っていたんです。

セッチー激白…元彌これまで&これからの筋書きとは… ープロレス昨秋参戦は故橋本真也さんとの約束ー

「茶番でもお遊びでもなかったんです。あれは男同士の固い絆で結ばれた、『約束』だったんですっ!!」−。昨秋、電撃的にプロレスに参戦した狂言師で和泉流二十世宗家、和泉元彌(32)。あれから1年。元彌の母、セッチーこと節子さん(64)が、プロレス参戦秘話と、元彌の仰天計画について、夕刊フジに語った。

 元彌は昨年11月3日、プロレス「ハッスルマニア」に参戦。それまでの公演でダブルブッキングや遅刻などで批判されていたことを“ネタ”に、ヘリコプターで登場するなどド派手に演出し、「空中元彌チョップ」の連発で試合に勝利した。

 一方で、ワイドショーなどで「仮にも伝統芸能の継承者を自任しているのに、恥を知れ」など、批判が集まった。

 これに対し、節子さんは、「実は参戦は、亡くなった橋本真也さん(故人、プロレスラー)との生前の約束だったんです」と初めて明かした。 「昨年春に宗家(元彌)が熊本から東京に帰る飛行機で、橋本さんと席が隣同士になり、意気投合したんです」

 節子さんによると、公演の遅刻などで批判が相次いでいた元彌に、橋本さんは「宗家は一人。孤独なのは仕方ないじゃないか」と叱咤激励。肩を痛めリハビリ中の橋本さんが、「自分も絶対復帰しますから、なにかコラボしましょう」と盛り上がったという。

 しかし、橋本さんは昨年7月11日、脳幹出血のため40歳の若さで急死。「プロレス参戦した11月3日は、ちょうど、橋本さんがケガからの復帰試合を予定していた日でした。宗家は橋本さんとの約束を果たすためにも、純粋に男気を貫いたんです」と節子さんは振り返る。

 さらに、「テレビもラジオもない昔、狂言は庶民のエンターテインメントだった。その娯楽性をプロレスという枠の中で、生かしてみようという発想だった」と、元彌の気持ちを代弁した。

 ところで、そんな元彌に次なる仰天計画が…。

 今年に入って3度、北京入り。そのワケは中国で600年の歴史を持つ「昆劇(クンプー)」と日本の狂言のコラボに挑戦するためだった。

 「京劇より歴史が古く、静かな感じの舞台」(節子さん)という昆劇。元彌が主役を演じ、昆劇と狂言の名作が“相互乗り入れ”するオリジナル作品の稽古を積んでいるという。

 「宗家は現地で連日特訓して身につけた。批判にさらされた苦しい時期もあったが、地道にしゃくとり虫のように来た成果をぜひ見てほしい」と節子さん。

 公演は、11月22−23日、東京・渋谷のセルリアンタワー能楽堂で。

 
 この記事が出た当時は,「また話題づくりで何かやってるな」くらいにしか思わなかったので,そのままほっておいたんですね。この記事を元に何か自分なりの文章を膨らませるということも出来なかったので。
 
 私は甘かったね。
 実は,和泉元彌オフィシャルサイト(というのがあるんだよ)をみていたら,この公演についての情報が載っているんです(「コラボ情報」というところをクリック)。この文章に仰天。事後報告なんだけど,以下のとおり。全部読むのが面倒な方は,最後の行だけ読んで下さい。

世界無形遺産コラボ〜中国・昆劇×日本・狂言
おかげさまをもちまして、大成功をおさめさせていただきました。多方面の方々から多くのお祝いと、お褒め・ご評価を頂きました。今回ご縁を頂きました、中国文化部、中国戯曲学院の方々に深く感謝申し上げます。今回の交流は、両国一時代の交流に限らず、この無形遺産の600年にわたる伝承に携わった多くの人々の心の交流であったと思います。 今回ご鑑賞いただけなかった方は、大変な大損をされたと思います。そこで朗報です。 来年は、和泉流宗家が中国との交流を持って20年を迎えます。また両国間にとっても大変重要な年となります。今回の交流・合作公演の番組をそのままに、中国公演を行う予定です。ツアー参加も企画中ですのでお楽しみに、お待ちくださいませ。 改めて今回の舞台を成功に導いていただけた多くの関係者、スタッフそしてご来場いただけたお客様に感謝を申し上げ、このプロジェクトの第一歩を踏み出せたことをご報告申し上げます。来る11月  「日本における中国文化フェスティバル」が催されます。その公演のひとつの目玉とされているのがこの「世界無形遺産コラボレイション」その内容は、ユネスコの定める「人類の口承及び無形遺産の傑作の宣言」による指定を受けた両国の伝統芸能合作公演です。(情報は更新していきます。)

と き:2006年11月22日・23日    両日とも19:00開演(18:30開場)
ところ:東急セルリアンタワー能楽堂
番 組:伝統狂言『靱猿』     新作昆劇『船渡聟』     新作狂言『百華贈剣』     コラボレーション『秋江』
出 演:中国戯曲学院(11名)     和泉流20世宗家 和泉元彌     史上初女性狂言師 和泉淳子     十世 三宅藤九郎     和泉采明 和泉慶子ほか
料 金:正面席・・・・・・35000円     脇・中正面・・・30000円

 その料金は本当か?

 35000円の狂言ってさ。狂言会だと,個人の会でしかも特別な会でも一番いい席で1万くらいだ。歌舞伎座の歌舞伎だって一等は15000円。クラシックだと今年の「ハーディング指揮・ロンドン交響楽団」のS席が30000円である。ハーディングよりも高いのかよ! これは誤植じゃないのか? 一桁間違えてないか?
 他の情報を調べたのだが,なんとも怪しいことに他のところには一切料金が載ってなかった。問い合わせ先は書いてあるのだが。例えば藤九郎姉ちゃん(モトヤの姉)のスケジュールをみても,この公演だけは料金が載っていない。でもって,他の公演の料金をみてみると,Sで5000円(セルリアンタワー能楽堂),会場代が高い国立で1万円なのだ。つまり,やっぱり3000円ってことはなくて本当に35000円だったようだ。でも35000円も払って一体誰が来たのか? 大成功と言っているが本当なのか? 本当に客が来たとしたらどういう客なのか?
 
 また,藤九郎姉ちゃんのページを見ると,ヒルトン名古屋と青学会館で家族総出でショーをやったようだ。宗家の年端も行かない子供も出演している。
 これらの情報を総合させると,去年の年末の時点でかなり逼迫していたことが推測される。あまりにも必死すぎるもの。どうすればいいのかについてはまたエントリを改めて(ずいぶん文章が長くなってしまった)。あ,そうそう,検索結果をみてたら,「和泉元彌 母 国籍」ってのが1件あった。一応,岐阜の名家出身ですよ,あれでも。でもこういう検索する人ってなんだかなあ。

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2007.03.22

宗家ハッタリの限界なのか

[][] この「日々カタログ。」の使命の1つに,実は「金をかけない和泉元彌のおっかけ」というのがある。というか,多分日本一和泉家のことを取り上げているブログだと思うよ。他にそんなブログがないからだけど。ということで,本日のこのニュースも取り上げなくてはならない。

元彌の母が金銭トラブル、自宅差し押さえ(日刊スポーツより)

狂言師の和泉元彌(32)の母節子さん(64)が、金銭トラブルを起こしていることが20日、分かった。東京・板橋区にある節子さんの自宅を兼ねた事務所が差し押さえられているほか、衣装部屋として使っているアパートの家賃と月決めの駐車場代金を未払いにしている。昨年、和泉流狂言の事業運営会社が東京国税局に所得隠しを指摘され、1億円を超える追徴課税をされたことで、深刻な“金欠”に陥っているようだ。
 ドタキャン、除名処分、交通事故などのドタバタが続く和泉ファミリーに、今度は自宅の差し押さえが発覚した。
板橋区にある自宅兼事務所は約30年前に建築した2階建ての一軒家。登記を見ると、昨年6月29日に板橋区から、同年10月27日には東京国税局から差し押さえられている。相次ぐ差し押さえの理由として、関係者が指摘するのが昨年に発覚した所得隠しだ。
 昨年6月、和泉流狂言に関する事業の運営会社「和泉宗家」が東京国税局の税務調査を受け、04年3月期までの5年間で約1億5000万円の所得隠しを指摘された。経理ミスなどを含めた申告漏れ総額は2億円以上で、追徴税額は重加算税などを含めると1億円を超すとみられている。
 日大法科大学院・板倉宏教授は「国税と地方税の両方から差し押さえをされているのは深刻。今後競売にかけられる可能性が高いのではないか」と指摘した。
 隣接するアパート2階に借りている衣装部屋の家賃も滞納している。このアパートに住む女性は「6畳の和室と3畳の台所。かぎを掛けないことが多く、猫が勝手に部屋に入り込むので鳴き声で近所迷惑。きちんと管理して欲しい」と訴えた。地元の不動産関係者は「部屋を貸している不動産会社も家賃滞納に困惑しており、法的な措置を検討している」と話す。さらに、新宿区内に契約している駐車場の5カ月分約15万円の滞納も指摘されている。
 宗家継承をめぐって能楽協会と争い全面敗訴した昨年の裁判では、節子さんが虚偽の証言をしたとして協会に謝罪、解決金300万円を支払っていたこともこの日、判明した。相次ぐ“金欠トラブル”に、NHK大河ドラマ「北条時宗」の主演を張った元彌ファミリーの輝きは見られない。


 本当に切羽詰まっているようだ。もともとこの一家はお金にはかなりだらしがない。順風満帆だった頃から,お金のトラブルはいろいろあった。というか,未払いトラブルが非常に多い。また,1億を超える追徴課税を課されるほどの所得隠しもあったということは,どういうことなんだろう。セッチーに管理能力がないのならちゃんと経理ができる人を雇うなり,税理士なりちゃんとした外部の人にチェックしてもらえばいいのに。そういう人を雇うものイヤなのかも。要するに,この家はドケチなんじゃないか。そんなドケチの割に大切な商売道具である衣装を保管する部屋に鍵をかけないというのはソウケケ(注:和泉節子はやたらと和泉家を「宗家家」という。宗家家という言葉は勿論日本語として適切ではない)としていかがなものか。確かに追徴課税は痛手だろうが,「それだけ稼いでいる」から税金をとられるわけである。ちゃんと処理していれば,こんな風にまとまって来ることはなかったのだ。ちょっとしたところでケチケチして後で痛い目にあうのがいつものパターンなのに,学習していない。
 でも,5年間で1億5000万の追徴課税が来るくらいは仕事来てるんだなあ。木曜時代劇も出ているし,中国を中心に国際的に(笑)活躍されているようだ。日本じゃ相手にされないからとか言ってはいけない。
 
 
 ああ,でもこんな報道が出るようになっては,ソウケケはもう限界かもしれない。ソウケケの生命線は「宗家ハッタリ」だったはずだ。能楽協会からどれだけ無視されようが「和泉流20世宗家」としてプロレスに出る(なぜ狂言の宗家がプロレスせねばならんのかという根本的問題は置いといて),自分の息子は自動的に21世宗家になる,セッチーはあくまでも高級なのかもしれないけど悪趣味な服を貫き通す,嫁はあくまでも芸能界復帰はない,貸し料金が高い国立を借り切って公演を行なう等々,「600年続いた宗家としての振る舞いを続ける」ことしかこの人達の生きる道はないのだ。いくら能楽協会が無視してもこの人達に狂言を習いたい人も何人かはいたり,この人達の狂言を見たい人達も何人かはいたり,プロレス参戦を頼まれたりするのは,やっぱり宗家マジックだと思う。しかし,宗家が宗家らしくなくなった時,流石に鈍い人達でも分かってしまうのではないか(宗家といえば,能の宝生流もいろいろあるんですけど,あまり報道されないね。やっぱり統制されてるんだろうな。でもあっちの方が和泉よりもシャレにならないような気が……書かないけどね)。さて,どうするんだろうなあ。

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2007.03.13

もう一つの「おふくろさん」問題

 森進一の持ち歌であったところの「おふくろさん」で元の作詞者と森進一がもめているようだ。当初は森進一の最近のうさんくささや作詞家センセイの耳毛に気を取られていたが,「歌唱禁止」という事態になり,一つ気になっていることがある。一応,こんな記事を参照

おふくろさん歌唱禁止にJASRAC困惑
 歌手森進一(59)に作詞家川内康範氏(87)が、自作品の歌唱禁止を突きつけている問題で、音楽著作権を管理するJASRAC(日本音楽著作権協会)に、川内氏から正式な申し入れが届いていないことが5日、分かった。役員に対して歌唱禁止を訴える私信は2通届いているが、正式な申告ではなく協会内で議論できない状態になっている。また、仮に著作権の侵害をめぐる裁判になった場合も長期戦は避けられないという。
 「おふくろさん問題」はJASRACも戸惑わせている。川内氏は4日、「森が私のすべての作品を歌うことは禁止するとの申告を届けてある」と、マスコミに対して文書で告げた。同協会によると、確かに先月末から役員に対し、川内氏から歌唱禁止を訴える2通の手紙が届いた。しかし、それはあくまで私信であって、正式な申告とは認められなかった。
 川内氏も森も同協会のメンバーだ。「円満解決を望む立場が大前提」という同協会だが、著作権の信託を受けている川内氏から正式要請があれば、歌唱禁止の是非について議論しなければならない。著作権等管理事業法には「正当な理由がなければ、取り扱っている著作物等の利用の許諾を拒んではならない」(第3章第16条)とある。つまり、現在は森の歌唱を許諾しているが、川内氏から正式な申し入れがあれば、訴えが正当かどうかを、判断することになる。
 現段階では正式に手続きしたという川内氏の“勘違い”から、議論にもなっていない。しかも、前例のない事態に、協会内でもどう手順を踏むべきか、手探り状態にあるようだ。
 第3者による事態収拾の判断もしばらく棚上げになりそうだが、渦中の森は恩師の許しを得るまで川内作品を封印する覚悟を決めている。青森在住で、東京に滞在していた川内氏は、この日早朝に大阪へ向かった。数日間は現地に滞在する予定で、しばらく森と接する機会はない。名曲「おふくろさん」が、しばらく宙に浮いてしまう。

 著作権についてはよく分からないのだが,もし法的というか「森進一が”おふくろさん”を歌えない」ことに何らかの拘束力がある状況になった場合,例えば素人がカラオケでこの歌を歌うときはどうすればいいのか。確かダメらしいと聞いたような気がする。でも,今どき「おふくろさん」歌う人はあまりいないからカラオケ業界は困らないんだって。
 となると,モノマネタレントが森進一のまねで「おふくろさん」を歌うのもやっぱりダメになるのか? もうコロッケが森進一のまねをしながら倒れるのは見られないのか。森進一の「おふくろさん」自体は結構どうでもいいが(どうでもいいのか),コロッケの芸が一つ減ることは残念でならない。どうかコロッケのモノマネは認めてあげて欲しい,と川内センセイにお願いするばかりである。

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2007.01.17

今年来そうな歌舞伎俳優

[] 2007年も始まって半月。「歌舞伎界で今年来そうな人」予想を勝手にしてみました(ちなみに,クラシック音楽部門では下野竜也に決定です。もう既に来てるじゃないかという声もあるかもしれませんが,今年はもっとブレイクするという意味で)。

・坂東亀三郎
 いきなり亀三郎なのか(笑) いや,私は本気ですよ。この人,ここ数年,いい意味で方向性が固まってきてると思います。故・17代目羽左衛門ー彦三郎と続いている,ある種の役どころはもう大丈夫ではないでしょうか。一つの劇の中で,台詞とか出番はそう多くないかもしれないけど,「ここでぶち壊しになると困るんだよね」的な役ってあるじゃないですか。そういうのがうまい。
 まず声がものすごく良い。あと顔つきも適度に古くさくて良い。最初はもっさりしていて地味な印象だったですが,それがいい方向に来ているんですね。でも,最近はまた垢抜けてきたかな。単に痩せただけかもしれないし,化粧がうまくなったのかもしれない。実は,サッカーとか音楽とか好きで,文章も結構面白い人で(ブログはここ),という舞台の姿と全然違う感じの人で,その意味でもすごい。

・市川笑三郎
 もうブレイクしているか。でも,今年気を抜くと某笑也のようになりそうなんで注意という意味で注目。宗十郎路線を突き進んで欲しいなあ。あと,もっと歌舞伎座の仕事に出て欲しいなあ。

・中村梅枝
 中村時蔵の息子。まだ高校生? 大学生? だけど安定感と古風な感じがある。注目株だよ。問題はちょっと背が高いことかな。松也君(君?!)もそうなんだけど,女形で背が高いのは辛そうなので。


<番外>
・中村獅童
 本当にどうするのだろう。今月は浅草で歌舞伎やってるんだよね。でも,浅草以外,特に歌舞伎座の仕事はどれだけ来るだろうか。どれだけ歌舞伎の仕事に力を入れる気なんだろうか。永山会長も亡くなった現在,そろそろ方針を決めないと,普通の映画やテレビの仕事すら危なくなってくると思う。

・市川笑也
 3月に国立劇場(小劇場)で玉三郎の公演があって,オモダカーズが出るんですが,彼だけ出ません。松尾貴史の舞台に出ているからだと思うのですが,それでいいんでしょうか。確かに3月の公演は舞踊なので,ダメなのは分かっています。でも,国立でオモダカーズオンリーの仕事が無くなると,彼が一番危ないです。少なくとも,歌舞伎の仕事はなくなりそうです。新派とか行けばいいのかな。


 なんか,亀三郎の話しかしてない感じですが,とにかく亀三郎が来ると思います。今年は亀三郎の年です。間違いない。

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