ビクター落語会(4月19日)
この日のビクター落語会は,柳家さん喬,柳亭左龍の親子会。左龍がマクラで話していたが,親子会は初めてなんだそうだ。「今回が最初で最後かもしれませんよ〜」と言っていたが(笑) このビクター落語会は,落語協会所属で,かつ古典落語の実力者を揃えるようにしているらしいのだが,左龍はいいと思いますね(さん喬は既にレギュラー化している)。二つ目時代(「小太郎」だった頃)にも1回見たが,その時も上手いと思った。真打になってからはますます噺も体格も風格が出てきて何よりである。
最初は前座。小ぞうの「金明竹」。先月は市朗で聞いたが,小ぞうの方がしっかりしているかも。
左龍の「ふだんの袴」。これ,前に鈴本で市馬で聞いた。左龍のいいところは,どこか芝居っぽさがあるところだ。もしかすると歌舞伎が好きなのかな。登場人物を描く時に,写真やビデオのように表現するんじゃなくって,少しデフォルメする。というのはどの落語家もやっているが,そのデフォルメの仕方が歌舞伎っぽい感じがする。あと,市馬の時は「調子に乗ったバカ」に焦点を当てていたが,左龍だと「調子に乗ったバカを見て困惑する人達」に焦点を当てることで,お調子者のバカさを表現していたようにみえた。
師匠のさん喬は,おせつ徳三郎の「花見小僧」。休憩を挟んで「刀屋」。さん喬は,映画というかリアルな演劇というか。天然ボケ気味の主人がいい。あと,ちょっとしたところでホロリとさせるのも上手い。後半の「刀屋」は,少し最初が重かったか。頭に血が上った若者に対して,刀屋が「昔ながらの忠義」を説くというのは今の時代にどれだけ通じるのか。
で,ここまでで会場はかなりお腹いっぱいになってしまった。さん喬にじっくりたっぷり語られてしまったから(笑)
トリに出てきた左龍は「もういいって感じですね」と自分でも言っていた。「前があまりたっぷりやるとやりにくい」とも。しかし,こんな雰囲気で始まっても,左龍にはじわじわと客を集中させる力があった。噺は「淀五郎」。
マクラは,さん喬ネタ。師匠は踊りが好きで,昔国立劇場の舞台に立って「藤娘」を踊ったことがあるとか(笑) この一門は喬太郎もそうだけど,師匠ネタ好きだよね。
「淀五郎」だが,最初に登場人物と当時の歌舞伎がどういう興行をしていたかを簡単に説明してから始めた。師匠との親子会でこの噺を持ってきたところに,左龍の並々ならぬ決意が感じられる。自分を取り立ててくれた人から,心無い(ようにみえる)仕打ちを受ける。一体何がダメなのか。懇意にしていた他の人物からの言葉で,自分に欠けていたものや自分の慢心に気付く。最初はちょっと疲れた感じだった会場も,みるみるうちに噺の世界に引き込まれていく。左龍,恐るべし。今後もビクター落語会で定期的に呼んで欲しい。





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