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2008.05.09

「ソウケケ歌謡ショー」の真相(最終回)

 堺市で行われた「宗家歌謡ショー」のレポも今回で最終回である。ほっとしたような,寂しいような気分である。これらのエントリについては,ひとえに,宗家のショーに潜入する勇気を持ち,驚異の記憶力と観察力と文才でショーの様子を伝えてくれた羽衣さんのお蔭である。本当にありがとうございました。
 前回のエントリでショーの終わりまで報告したが,最後は「物販編」である。コンサートでも演劇でも,必ず何か物販はあるものである。羽衣さんも「何かお宝があるかも」という期待に胸が高まっていたようだ。

私の胸は高鳴った。あの宗家転落の軌跡(ある種の奇跡?)サイトでおなじみの宗家ご真筆のサインを拝むことができると期待したからである。いざいざ出口で急ぐ。
 そこでは、あの館長が客に挨拶していたり、談笑していた。次回は館長の司会・進行で宗家の公演を演出していただきたい。ぜひ宣伝文句を私に書かせて欲しい。

 あの伝説のサイン。元々は,和泉宗家相談役ページに掲載されていたものである。この相談役は宗家の大ファンなのだが,こんなサインを載せちゃっていいのだろうか。
 そして,前のエントリで「某スレ住人」さんからコメントがあったが,この相談役は堺市出身だった。自分の母校の中学校の50周年記念にソウケケに来てもらったと書いていた。この相談役は本職は日本女子大の先生だから関東に住んでいるはずだが,関西にある母校の行事に口を出せるものなのだろうか。そのくらい偉いってこと? で,単なる推測なんですが,「宗家と10年来のつき合い」という館長は,もしかするとこの相談役つながりで宗家と知り合ったのかも。文化ホール館長となれば,そういうつき合いもあるでしょうし。だからしょっちゅうお仕事を頼んでいるのかもしれない(またこのホールで狂言の公演があるようです)。
 ただし,この館長は宗家と仲が良いだろうが,相談役のように「宗家は本当に素晴らしい! 狂言も完璧です!」という風ではなさそうだ。ぜひまたこのような歌謡ショーを企画してもらいたい。その時には羽衣さんに宣伝文を依頼して欲しい。だって,このレポを見て,「自分もショーを見たい」と思った人がいるんですから。

 会議室みたいな机の上にCDが、約100枚位のっていた。だが、そこにいるのが職員の人たちで、宗家たちの姿は一切なかった。残念である。
 なぜいないのだろうか。やはり宗家の「彌」という字が最大の壁だったのではないか。非常に画数が多い字である。普通このようなサインは行書・草書を使ってさらさらと書いていくのだが、宗家は全く違う。転落サイトでおなじみの宗家は一筆入魂という感じで書いている。狂言はサラサラ流れるような感じなのだが、サインには力がこもっている。なぜなのか。実際にこの目で確かめたかったのだが、その機会はなかった。単にこの字を書くのが面倒だったのか。現に私もこの字を入力することは面倒だ。なんとなく宗家とは気が合うかもしれない。
 CDは一応売っているのだが、売る気があるのか・・・ないのか・・・よくわからない。
 今時お笑い芸人はもちろん、クラシックの人たちだって公演後、サイン&握手会(時には撮影付)ぐらいやるものなのに。全くない。さすが宗家家の余裕を感じさせる。
 それに宗家は大阪の特徴を知らなかったのではないか。大阪は「振り込め詐欺」は少なく「還付金詐欺」が多いというのだ。まあ、一般社会常識とは無縁だから仕方ないことだろかもしれない。つまり大阪ではおまけがつかないとモノが売れないのだ。
 別にCDではなく本でも煎餅でもいいのだがそんなものは全くない。あくまでも公演一本で食べていく宗家家の意気込みを感じさせる。

 本当にサイン会くらいやっても良さそうである。クラシックの人達がよくやるのは「CD買ってくれた人だけサインします」って形ですね。何しろ売れないから……。宗家もサインと写真会くらいやっても良さそうである。それでCDを買ってくれる人もいるだろうに。「そんなことしたら会場がパニックになる恐れがある」ので遠慮したのかも知れない。奥ゆかしいぜ,宗家。
 ただ,CD発売から目を皿のようにしてオリコンを見ているのだが,どこにも載ってない。一体何枚売れてるのか。ここで100枚売れたらオリコンチャートに載ったのではないか。

 観客は帰り際、口々に「いや〜、楽しかった」「こんなに笑ったのは何年ぶりやろ」果ては「漫才より面白かった」と語り、公演は大絶賛のうちに終わった。こうして後世に語り継がれる公演は幕を閉じた。

 超高評価。笑いにうるさい大阪の人達をこれだけ楽しませるとは! 吉本をはるかに超えている。宗家の天然が大阪の人の心を打った。そして,羽衣さんは次のようにこの公演を振り返る。

 この公演で私が得たものはなんであろうか。今、私の手元には辞書が2冊ある。(自分の無知を痛感。穴があったら入りたかった。結構、痛い出費だった。でも伝統芸関係の書物を買わせなかった宗家の人徳には感謝している。)
 この公演で宗家が得たものは、決して宗家のご令嬢の自転車ではない。アルマーニのけったいなパンツである。

宗家は果たして堺市立東文化会館に再び来ることができるのか。

 このレポのために辞書まで! ブログを始めた宗家も見習って欲しい。子供には絵本を買ってやり,読み聞かせて欲しい。本の読み聞かせによって親子の脳が活性化するそうだから。本当に羽衣さん,ありがとうございました。
 
 
 そして,この公演レポで私が得たものは何だろうか。やはり「宗家のショーの可能性」だろうか。宗家には,既存の「狂言の公演」という枠組みに囚われて欲しくない。宗家はもはやそういうステージではない。狂言と歌とよく分からない見せ物とファンサービスをミックスした新たなショーを開拓して欲しいし,宗家にはその力があると思われる。
 今後もこのようなショーを全国的に行って欲しいのだが,どうすればいいんだろうか。やっぱり料金は3000円が限度かな。5000円だとちょっと高いかも。勿論主催は会場側である。宗家に主導権は握らせない。宗家のさまざまなリアクションこそが生命線だからだ。
 東京だと「飛び入りでデュエットしてくれるお客」というのもいなさそうなので,ソウケケ歌謡ショー一本でもいいだろう。その時には「昭和枯れすすき」「瀬戸際の花嫁」「ろくでなし」「よせばいいのに」などを熱唱して欲しい。会場は「文京シビックホール」なんかどうだろうか。宗家はなぜかここで狂言教室を開いている。誰か生徒さんがホールにかけあってくれないか。
 ともあれ,宗家には全国の会場にあの

伝説の毛皮コート

姿で上がって欲しいものである。その日を楽しみにしている。

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Comments

ちょっと寂しい最終回。
今後はあのパラパラも披露してほしいですね。
CD100枚はかなりの荷物で、そのあと誰が運んだのか?
売れ残り(つまり全部)置き去り作戦か?
しかし売れたら金は受け取るわけだから、
売れなかった証拠としてブツも渡す必要がある。
着払いで宅配か。それ受け取らないとどうなるのか。
やっぱ客が帰ったのをみはからってソウケが回収したのかな。


Posted by: 砂野 | 2008.05.10 at 07:20 AM

たった一日の出来事が、長編小説か連続ドラマなみの充実感で1から繰り返し読んでしまった。
すべてが狂言を体現している『宗家』は『狂言』の大天才だと確信しました。
文京シビックホールでは、宗家家以外の主催でチケットぴあ扱いなら安心して見に行けますが、どこか奇特な興行主さんがいないものですかね。とはいえ「天才『狂言』プロデューサー」の理事長が黙ってないか。

Posted by: 満月 | 2008.05.10 at 09:03 AM

マダム2号のブログについて

宗家は確かに「直面(じかめん)」と言った

私たちにはそう聞こえた。このとき、姉ズはスッピンです。セッチーの直面は見たくない、と語っていました。
ですよね、宗家。

Posted by: 羽衣 | 2008.05.10 at 02:12 PM

 文京シビックホールって。。。。。と思わず反応しちゃうじゃないですか。

Posted by: 南郷力丸 | 2008.05.10 at 04:05 PM

>砂野さん
 「陰陽師パラパラ」ですね。あれ1回だけじゃ勿体ないですよね。あと,ハッスルの衣裳もお金かけて作ったのだから,ショーで着たらいいのに。一応,「大河の主役」→「新宿コマで座長公演」という方ですから。
 100枚のCDはパインスターに送ってもらったんでしょうか。誰かが既に買い取っていてそれを売っているのであれば,売り上げに反映されていそうなんですけど。物販編で分かったことの一つは,「本当にCDは存在する」ということでしょうか。

>満月さん
 そうですね,「宗家」の「狂言」は,「現在進行形・人生規模」で展開してるんですよ。茂山千作も野村万作も到達できない境地に達しているのです。ナンチャンと野村万蔵家が「現代狂言」なる企画をしていますが,宗家の狂言こそ本当に現代の日本人の心を打つものです。しかも,マスコミを通して無料で見せて下さるという太っ腹なお方です。型とか間とか言って本当にすまんかった。
 シビックホールだったら私が司会してもいいのです(断られるよ)が,会場借りる金はないです。

>羽衣さん
 「じかめん」って私も気になってました(マダム2号のブログを読んでない方に説明すると,狂言の前に宗家が狂言の解説をなさった時に「狂言は直面で演じる」と言ったそうです。能楽における「直面」は「ひためん」と読みます)。さすがに宗家たるものそんなもの間違えないだろう,「ひためん」なんて聞き慣れないからかなと思っていたのですが,そう聴こえたんですね。
 姉ズがいる前で……と思ったんですが,その時姉ズは狂言のための着替え中だったはず。館長がつっこむわけにもいかないし。
 やっぱり宗家には既存の能楽なんて関係ないのです。いいのです,「和泉宗家流狂言」という新ジャンルのエンターテイメントの開拓者ですから。

Posted by: コバヤシ | 2008.05.10 at 04:19 PM

あ,南郷さんと入れ違った。

シビックホールなら大丈夫ですよ! 自主制作映画の試写会も出来るくらいだから,「自称宗家」だって大丈夫です。

Posted by: コバヤシ | 2008.05.10 at 04:51 PM

CDは何枚作っていくらかかったのか気になるところです。
百枚きりなのか。
源さんの曲について誰も書かないのは聴いた人の脳の中で
(セキュリティソフトがウィルスを隔離するように)神経回路が
閉じる曲なのかも。モトヤ脳の中でも大半の出来事は
閉じてるんでしょうね。

Posted by: 砂野 | 2008.05.10 at 07:21 PM

>羽衣さん「じかめん」ですか、そうですか。いかにもソウケらしいW
>コバヤシさん、私も万蔵さんとナンチャン達の狂言を一回目に見ました。ハコビや立ち姿、発声のなにからなにまで「型破り」ならぬ「型なし=形無し」の芸で国立能楽堂の鏡板の老松が泣いている…て思いました。
ソウケの『狂言』はそういう「芸論」で語れるものと次元が違う、文化勲章受賞者も人間国宝も行けない(ま、行こうとは誰も思わない)世界のものですね。

Posted by: 満月 | 2008.05.10 at 08:13 PM

>砂野さん
 あれでも「大ヒット祈願!」とかやってたので,さすがに100枚ってことはないと思いますよ,というより思いたいです。でもどこからお金出てるんでしょう。そしてプロデューサーの源さんはいずこへ?
 「源さん」ですが,生で聞いた人が「源さん源さん」しか覚えてないということはそういう曲なんでしょうね。ひどいとすら思えないような曲。モトヤ脳ですが,ブログ読む限りは,ご飯に対しては反応がいいようです。

>満月さん
 「じかめん」はさすがに聞き間違いか記憶間違いではと思ったのですが……さすが宗家でございます。
 「現代狂言」観にいかれたんですね。テレビの「狂言部」はそれっぽくやってたので,もっとまともかと思ってたんですが。あれって,故・万之丞が言いだしたことらしいのですが,能楽の伝統に倣い,「有名人をパトロンにする」という作戦だったのかも。
 宗家の狂言は,能舞台なんかに収まらないのです。一時期「メディアミックス」という言葉が流行りましたが,宗家の狂言はメディアミックス型なのです。テレビやネットまで駆使しております。更に,結末は誰にも分からない。寺山修司もビックリです。

Posted by: コバヤシ | 2008.05.10 at 08:47 PM

>羽衣さん
 もしこれを読んでいたら,「じかめん」でもう一つ質問いいですか? 
 マダム2号のブログでは,宗家は「化粧をせずにスッピンで舞台に上がること」を「じかめん」と説明されたように読めるんですが,本当にそんな風に説明したんでしょうか? 「面をつけない」ではなくて。

 能楽の「ひためん」は,「面をつけないで演ずる」ことです。能のシテ方は必ず面をつけて演じますが,狂言は基本的には面はつけません。でも,鬼やブサイクな若い女性の役では面をつけて演じます。あと,宗家得意の「三番叟」でも途中から面をつけます。
 能楽で舞台の上の人間が化粧なんてするわけないんです。もともと能楽は男性だけしかいませんでしたから(今では女性能楽師もいますが)。


 でも,宗家にはそんなもの関係ないのでしょう。なにしろ能楽の方々も,畏れ多くて宗家には間狂言を頼みませんから。「じかめん」はソウケケ用語なのでしょう。

Posted by: コバヤシ | 2008.05.11 at 01:40 PM

>砂野さん
CDの入れ物は店で売っているような感じではなく、宗家のほほえましさを感じさせるようなものでした。案外かさばっていなく、手での持ち帰りも可能な量でした。
>コバヤシさん
私が「直面」を取り上げなかったのは辞書に載っていなかったからでした。当り前の話ですが・・・「ひためん」では確認できました。しかも「風姿花伝」の解説付で。
 宗家の説明では「面をつけない」とは全く言っていません。仰るとおり「化粧をしないでスッピンで舞台に上がる」と宗家の解説でした。
 こんなことなら狂言ハンドブックでも読んで事前に知識を得ておくべきでした・・・。もっと、もっとお楽しみがあったかもしれない。すごく残念です。
 そして、やはり我々の想像をはるかに超えたお方であるとの認識を強めました。我々とはステージが違いすぎます。
 今週の土曜日、銀座で公演があるので、楽しみです。「直面」はスルーするのか。「伝説の毛皮コート」を再び着るのか。シークレット足袋・金襴緞子の衣装・宗家ファミリーの定義の変更はあるのか・・・この公演はある意味、堺の公演よりお楽しみがてんこもりですね。ぜひみなさん、観に行って下さい。

Posted by: 羽衣 | 2008.05.12 at 11:02 AM

 羽衣さん,ありがとうございます。やっぱり宗家は面のことなんか何も言ってないのですね。「ひためん」か「ちょくめん」しか辞書には載ってないはずです。「僕を嫌った能楽界なんて関係ないもんね!」てことかもしれませんが,「じかめん」ってw
 宗家のショーは,伝統芸能の能狂言に属するものではなく,もっと別のステージにあるのです。もう,能楽協会なんてどうでもいいじゃないですか(笑) 頑張って税金は払って欲しいものです。

 銀座の公演ですが,トークショーあるんですよね。「このトークショーで1年後には狂言通に」とか書いてありますが,正しくは「和泉宗家流狂言」通にです。今頃このブログを読んで「ひためん」を勉強しているのか,シークレットではないことを強調するのか,宗家ファミリーには子供たちも入るのか(妻は?),いろいろ楽しみですね。

Posted by: コバヤシ | 2008.05.12 at 11:45 AM

>「源さん源さん」
なぜか「決算決算総決算」のメロディーが頭をよぎります。あの歌を歌っていた人と昔知り合いでした。
文京シビックホールはなんだか魔窟というか夢殿というかブラックホールというか、違う次元へ我々を旅立たせてくれるようですね。ニッポソへの入り口か!そう考えるとパラレルワールドニッポソではソウケケは「和泉流二十世宗家和泉元彌」で能楽協会に君臨する「御曹司」なんでしょうな。

Posted by: 瑠璃子 | 2008.05.12 at 12:19 PM

>コバヤシさん,羽衣さん
渾身のレポ十二分に楽しませて頂きました。その上いろいろ勉強になりました。

ところで、謎のプロデューサー源丈文氏、5月1日の「パティオミュージックカフェ」に出てたらしいです。
http://209.85.175.104/search?q=cache:_MbIDrIIj4YJ:www.792fm.com/guest.php+%E6%BA%90%E4%B8%88%E6%96%87&hl=ja&ct=clnk&cd=8&lr=lang_ja

あやりブログの告知が止まっていたので、残念ながら聞き逃してしまいました。
本来ならガンガン宣伝する所をしないというのは、やはりヲチ対象になっているのを警戒してるんでしょうね。

Posted by: 某スレ住人 | 2008.05.12 at 12:54 PM

>瑠璃子さん
 宗家が演じているのは,古典芸能の狂言に似て非なる「キョウゲソ」なのではと思い始めている今日この頃です。キョウゲソはおそらくニッポソの芸能の一つです。キョウゲソにおける和泉宗家は,約600年一子相伝で続いている由緒あるお家で,モトヤンは隠れもない和泉流宗家でございます。みんなが宗家にひれ伏すのであります。

>某スレ住人さん
 ちょっと前から気になってるんですが,あやりとパティオの関係が少し離れてませんかね? 「ルチャボイス」のページを見たら,パティオのところに「業務提携」と書いてあるんですが,こんなの前にありましたっけ?

Posted by: コバヤシ | 2008.05.12 at 07:50 PM

業務提携なんて以前はなかったですよ。
二人きりの所属タレントとして並んでました。

Posted by: 砂野 | 2008.05.12 at 08:09 PM

 なかったですよね? 
 こないだ,匿名の方が,「ディナーショーの司会はあやりに頼んだけど断られた。あやり側は宗家との距離を置こうとしている」というコメントを下さった時に,「単にディナーショーの日にラジオ番組が入ってただけじゃないかなあ」と思って見てみたらそんなことになってて。宗家を巡って変なことになってなきゃいいんですけどね。

Posted by: コバヤシ | 2008.05.12 at 08:18 PM

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