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2008.05.10

読売日響定期(4月18日)

 スクロヴァチェフスキといえばブルックナーである。ヴァントも朝比奈も亡くなった今となっては,ブルックナー指揮者といえばミスターSということになっている。読響では6番を聴いたことがあるが,凄かった。指揮者やりたい放題。そしてミスターSが常任指揮者となってからも,ブルックナーの演奏は続いている。多分最後に音源をまとめて発売するのかも。それはともかく,名曲の5番はなぜか今まで演奏されてこなかった。
 やっと,ミスターS指揮のブル5が聴ける。ブル5のプログラムはなぜかこの日しかないせいもあって,チケットは早くに売りきれてしまった。
 会場に行ってパンフをもらったら,チラシが挟まっていた。「常任指揮者としての任期を2010年3月まで延長する」とのこと。1年延長か。年齢も年齢だから5年とかは無理だろうが,とりあえずめでたい。


 さて,この日のブル5だが,ありがちな「金管大咆哮」というものとは全く違った。それぞれの旋律を美しく響かせていく。去年のティーレマン&ミュンヘンフィルは「宇宙の爆発」的なブル5だったが,ミスターSは「春の息吹」のような感じ。小さな生命が次々に生まれていくというイメージ。
 第4楽章の前に,1回音合わせをしたが,あれのお蔭か,第1楽章との連続性が明確になったような気がする(そのためだけに音合わせしたとも思えないけど)。そしてフィナーレだが,今まではっきりと見えなかったものが急に隅々まで色鮮やかに見えたときのような驚きがあった。また,この日は指揮者が腕を下ろし少し経ってから拍手が始まった。本当に素晴らしい演奏会だった。


 あまりにも素晴らしかったせいか,この日はオケが舞台から降りた後も指揮者に対する拍手が続き,その拍手にミスターSも応えてくれた。懐かしの一般参賀を思い出す(故・朝比奈隆の晩年のコンサートは,いつもこんな感じで指揮者が出てきた。「一般参賀」と呼ばれていた)。舞台に残っていた団員もファンと同じように拍手している。
 その時,奥から一眼レフカメラを持って現れた人物がいた。よーく見たら。
 コンマスの藤原先生だった。
 ステージでは神妙な顔つきをしている先生が,にこにこしながら,ファンに応えるミスターSを撮っていた。最後の最後にもいいもの見た。

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