読売日響名曲シリーズ(4月12日)
久しぶりにコンサートのエントリ。ずっと宗家ネタばっかりだったので,ちょっと緊張する。宗家のコンサートのことを書いているうちに一月経ってしまった。
4月の読響はミスターSが指揮する。名曲シリーズの前半は「悲愴」,後半は「春の祭典」。今年で85になる指揮者のプログラムとは思えない。朝比奈隆が生きていた頃は,「会場で一番の高齢者が指揮者」というのがちょっとした宣伝文句だったが,ミスターSもそうなりつつある。……というかミスターSよりも高齢者はサントリーにいたのだろうか。
「悲愴」だが,今まで聴いたどの「悲愴」とも違って聴こえた。今まで聴いた中で一番良かったのは,広上&新日本のものだったが,それとは違う。広上さんは焦燥感や嘆きを表現していたが,ミスターSは,もっと乾いていた。「虚しさ」が感じられる「悲愴」だった。あ,演奏が虚しいという意味じゃないですよ。
第1楽章は,遠くから聴こえる波の音のように始まった。徐々に激しさが増していく。しかし,美しい旋律も何もかもが「虚しい」。華やかな日々も楽しい生活も,どことなく「虚しい」。最後も波の音のように音楽が消えていった。ミスターSにとっての「悲愴」とは人生の虚しさなのか。この演奏が好きかというと答えに困るが,考えさせられた。ファゴットの井上さんが良かった。
後半は「ハルサイ」。大音量の派手なハルサイが好きな人には耐えられないだろうが,「こんなところからこんな音が」的な面白さがあった。ちょっとアンサンブルが乱れるところもあったが,楽しかった。どこか刹那的な感じがしたが。
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