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2007.08.28

「怪談」〜納涼ほらー演芸会〜(国立演芸場)

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 毎年恒例の「納涼ほらー演芸会」。人間国宝の一龍斎貞水が立体怪談をすることで有名。実は立体怪談は文京シビックセンターでも行われる(貞水先生が生まれも育ちも文京区だかららしい)のだが,今年は喬太郎師も出演なので,国立にしてみた。今年のプログラムは次の通り。

一龍斎貞友「真景累ヶ淵「豊志賀の死」」
ケン正木<ホラーマジック>
柳家喬太郎「路地裏の伝説」
仲入り
一龍斎貞水「鏡ヶ池操松影「江島屋怪談」」

 前座は……誰だっけ? こういう会での前座はやりにくいよなあ。最初は一龍斎貞友。貞水のお弟子さんで,声優としても有名らしい。……あれ,どこかで聞いたことある声だなと思って後で調べたら,「ちびまる子ちゃん」のお母さんの人だった。というか,鈴木みえだったとは……,松山光だったとは……。道理で声の使い分けがうまいわけだよ。今年映画化されているからか,「豊志賀の死」。また,女性が語ると,ねっとりとしていて怖いですな。
 ケン正木のホラーマジックだが,ナポレオンズ的しょーもないネタあり,80年代的人体切断芸ありと,楽しかった。そういえば,最近人体切断マジックってやらないね。昔はテレビで結構やってたのに。
 柳家喬太郎師は,SWAのユニフォームを着て登場。どうして小学生や元小学生ってあんなに怪談が好きかねwww 口裂け女はポマードの匂いが嫌いだと小学生だった私は聞いたな(80年代の小学生の話)。でもって,元小学生男子のリアクションがうますぎ。オチは何となく読めたけど。

 大トリの貞水先生。50分もあるので,時々脱線話をしたりしながら客の集中力が大事なところで途切れないようにいろんな工夫をしている。フリートークはすごくうまいわけではないのだが,面白かったのは,「なぜ日本の怪談は怖いか」という話。日本の怪談には必ず因果があるから怖いのだ。西洋のホラー映画って,因果はないでしょ? たまたま幽霊屋敷に入っちゃった若い男女が,何も悪いことしてないのに襲われたりする。ある意味それはそれで怖いんだけど,日本の幽霊はそういう節操のないことはしない。この辺の話は,雑誌「東京人」の「圓朝特集」でも書かれていたけど,日本の幽霊は何か理由があって出てくる。怪談に教訓的な役割があるとも考えられるし,日本人が「怪は人の心が産む」という考え方をしているからとも考えられる。とまれ,肝心の「江島屋怪談」なんだが,これは圓朝物である。マクラに「講談のネタを落語家がやっちまうから困る」みたいな話があったが,今回はその逆だってこと。
 立体怪談というだけあって,舞台美術はとにかく凝っている。もともとこういうことも圓朝がやってたことらしいが。何が怖いって,貞水先生の顔(笑) 照明の当たり方が怖いです。照明がやたらとチカチカして目が疲れるところもあるが,大詰めのところの語りはすごかったなあ。最後に幽霊に扮した貞友が出てくるんだが,若い娘にしては(笑) 
 立体怪談はやっぱり企画物なんで,普通の講談も聞いてみたいと思った。年末の赤穂浪士か?

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Comments

怪談は暑さを忘れさせるため発達したと言われますが
もっと暑い国では怪談ではなく辛い料理が発達しており
日本にそれは無い。気候だけの違いかというと
中国の蒸し暑い地方には四川料理という辛いやつがあるし
幽霊に足が無くて中に浮いているという日本のアイデアは
卓抜で、怪談は日本のが最高でしょう。
「料理と熱さと演芸の文化論」を誰かまとめてくれないかな。
音楽については気候の苦しさと逆の傾向が
はっきりしてますね。歌唱も和楽器の音も乾いたもので、
日本の湿度がよくわかります。

Posted by: 砂野 | 2007.08.29 at 03:03 AM

 アメリカとかヨーロッパなんかの怖い話,例えば魔女とか吸血鬼とかは宗教が関係してるんでしょうね。気候とは関係なく,キリスト教的な戒めなんだろうな。でも,日本の怪談はその辺が曖昧。そもそも,「話で涼しい気持ちになる」というのは普遍的な現象なのか日本特有なのか,文化人類学あたりで誰か調べてないものでしょうか。

Posted by: コバヤシ | 2007.08.29 at 05:14 PM

西遊記なんかには心理的ホラーもあるし中国にも講談は
ある。でも落語は無い。
日本人が凝縮された小宇宙を好むのはナゼでしょうか。
島国=小宇宙という安直な仕組みなのだろーか。
ロボットと怪獣のデザインがほぼ日本だけから生まれるのは
いけばなと同類だから説、
漫画文化が日本のみ別格なのは建築同様長方形の神聖視に
よると言う説があります。私の説ですが。

Posted by: 砂野 | 2007.08.29 at 08:06 PM

「落語」というものが外国人に理解されにくいというのは歌丸師匠も仰ってましたね(落語の話の内容ではなく「形式」)。日本人は箱庭的なものが好きなんでしょうか。

Posted by: コバヤシ | 2007.08.30 at 01:18 AM

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